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ゲイシャコーヒーとは?歴史・産地の違いとおすすめの飲み方

コーヒー好きの方なら「ゲイシャ」という名前はを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。アラビカ種の一種で、高級品種として知られているゲイシャコーヒー。本記事ではこの特別なコーヒー、ゲイシャに焦点を当て、その歴史から特徴、そしておすすめの飲み方まで幅広く解説します。

ゲイシャコーヒーの起源と由来

収穫されたゲイシャコーヒーの実 パナマ、エスメラルダ農園にて

ゲイシャコーヒーの発見

ゲイシャコーヒーは1931年に東アフリカのエチオピア、ゲシャ地域で初めて発見されました。ゲイシャコーヒーの名前はこの地名に由来しています。その後、1960年代に中南米のパナマに持ち込まれましたが、当初は他のコーヒーの病害対策が主な目的だったといわれています。また、他のアラビカ種と比べて樹高が4mと高く栽培が難しく、さらに病気に弱く収穫量が少ないため、生産者からは敬遠されていました。そのため、最近までその名前が市場に出回ることはあまりありませんでした。

世界的な注目の高まり

2000年代に入るとパナマのエスメラルダ農園のゲイシャコーヒーが国際的な品評会で複数の賞を受賞し始め、その独特な風味が高く評価されるようになりました。オークションでは当時の最高落札価格を記録しています。

パナマ エスメラルダ農園のゲイシャコーヒー

この時期を境にゲイシャコーヒーは世界中のコーヒーファンから特別なコーヒーとして求められるようになり、コーヒーの世界におけるその地位を不動のものにしました。ゲイシャコーヒーの人気が高まった背景には、その独特な風味と品質の高さが広く認知されたことがあります。現在でもパナマ産のゲイシャコーヒーは最高級品種の位置付けで、高値で取引されています。

ゲイシャコーヒーの特徴

豊かな風味

ゲイシャコーヒーが高く評価される最大の理由は、その豊かで独特な風味にあります。このコーヒーは、花やベリー、そしてトロピカルフルーツを想起させる複雑で洗練された香りを持ち合わせています。その味わいは、明瞭な甘味と酸味によって支えられ、長い余韻を楽しむことができます。

ゲイシャコーヒーの風味はその栽培環境に大きく依存しており、高地で理想的な気候条件下で育つことで、これら独特の特性が引き出されます。

栽培条件

ゲイシャコーヒーの品質を左右する重要な要素の一つが栽培条件です。理想的な栽培条件は、高い標高、一定の温度、適度な湿度、そして十分な降水量を指します。これらの条件は、ゲイシャコーヒー豆の特有のフレーバーを最大限に引き出し、その品質を保持するために不可欠な要素です。

コーヒー豆の特性

ゲイシャコーヒーは、他のコーヒーと比較しても、その形状やサイズにおいて明らかな違いがあります。これらの豆は長く、細身であり、熟すと美しい紫色を帯びます。この独特の外見はゲイシャコーヒーの品質を示す指標の一つとされています。

ゲイシャコーヒーの主要生産地とそれぞれの特色

パナマ産ゲイシャコーヒーとエチオピア産ゲイシャコーヒーの生豆

左:パナマゲイシャ 右:エチオピアゲイシャ

パナマ産ゲイシャコーヒー

パナマはゲイシャコーヒーの品質において特に重要な地位を占めています。特にボケテ地域で栽培されるゲイシャコーヒーは、その風味と品質で世界的に有名です。この地域の豊かな火山土壌と、高地特有の気候は、ゲイシャコーヒーが持つ独特の味わいを形成するのに最適な条件となっています。

エチオピア産ゲイシャコーヒー

現在ではゲイシャコーヒーの原産地であるエチオピアでも栽培されています。エチオピア産のゲイシャは、その歴史的な背景から原種に近い風味が特徴です。特に、フローラルな香りとフルーティーな味わいは、エチオピア産ゲイシャの風味を際立たせています。

パナマ産ゲイシャとエチオピア産ゲイシャ

地域ごとの風味の違い

ゲイシャコーヒーに限った話ではありませんが、コーヒーは同じ品種でも栽培された地域によって味わいに差があります。

パナマ産のゲイシャコーヒーは、フルーツのような酸味と複雑な風味が特徴であり、世界中のコンテストで高い評価を受けています。

一方、エチオピア産のゲイシャコーヒーはより原種に近い、フローラルな香りが特徴です。

これらの違いは各地域の気候、土壌、栽培方法によって決まります。地域ごとに飲み比べてみるのもコーヒーの楽しみの一つではないでしょうか。

ゲイシャコーヒーの市場での位置づけと価格設定

市場での評価

先に述べたように、パナマ産ゲイシャを筆頭に世界中のコーヒー市場で高い評価を受けています。国際的なコンテストでの受賞歴がその品質の証とされ、ゲイシャコーヒーはプレミアムコーヒーとしての地位を確立しています。

高価な理由

高価である理由は、その希少性、栽培および収穫にかかる手間、そして前述した世界的な人気に起因しています。特定の地域でしか栽培されず、手間がかかるために生産量が限られていることが、供給量を制限し価格を押し上げています。

このようにゲイシャコーヒーはその独特な風味と品質、市場での高い評価により、スペシャルティコーヒーとしての位置を不動のものにしています。また価格はその希少性と品質の高さを反映しており、世界中のコーヒー愛好家から特別な一杯として求められています。

ゲイシャコーヒーの淹れ方と楽しみ方

最適な抽出方法

ゲイシャコーヒーの風味を最大限に引き出すために最適な抽出方法はハンドドリップです。ゲイシャコーヒーの繊細な風味成分を丁寧に抽出することができます。お湯の温度や挽き具合、抽出時間を細かく調整することで、ゲイシャコーヒーの特有の味わいを存分に引き出すことが可能になります。

▼ゲイシャコーヒーの詳しい淹れ方はこちら
ゲイシャコーヒーの淹れ方 希少なコーヒーの風味を引き出すコツ

エチオピアゲイシャをブラックで

浅煎り〜中煎りがベスト

フローラルな香りとフルーティーな酸味を活かすため、焙煎度は浅煎り〜中煎りがおすすめです。お湯の温度は焙煎度に合わせて、88〜92℃くらいが良いでしょう。

ブラックがおすすめ

ゲイシャコーヒーはその風味を楽しむためにもぜひブラックのまま飲んでみてください。また、淹れたあと時間の経過とともに風味の変化も楽しむことができます。冷めた状態でも独特の風味を体験できますので、こちらもぜひ試してみていただきたいポイントです。

夏場は水出しアイスコーヒーもおすすめ

暑い夏には水出しのアイスコーヒーもおすすめです。浅煎り〜中煎りの豆1に対して、水12.5〜16の割合で半日ほど抽出させると美味しい水出しコーヒーが完成します。目安としては普段ドリップしている分量より少しコーヒー豆の比率を増やすとよいでしょう。お好みに応じて、コーヒー豆の分量を適宜調整してみてください。

▼水出しコーヒーの詳しい作り方はこちら
水出しコーヒーとは?自宅で簡単、水出しコーヒーの美味しい作り方

ゲイシャの水出しコーヒー

当店では厳選されたパナマ産ゲイシャコーヒーとエチオピア産ゲイシャコーヒーを取り揃えています。どちらも50gからご購入いただけますので、ぜひ飲み比べてみてはいかがでしょうか。