2025コーヒーの生産は回復の兆し
2024/25年度の世界のコーヒー市場は、ブラジルとインドネシアの生産回復に牽引され、供給不足からわずかな供給過剰へと転換する可能性が示されています。USDAの最新レポートを基に、その詳細をインタラクティブに探ります。
グローバル・スナップショット
(2024/25年度予測)
世界生産量
1.75億袋
▲ 4.1%
世界消費量
1.71億袋
▲ 1.5%
期末在庫量
2,580万袋
▲ 7.9% (3年ぶりに増加)
コーヒーの供給:
生産回復はどこから?
世界のコーヒー供給は、特定の主要国に大きく依存しています。2024/25年度の生産回復は、ブラジルとインドネシアが主導します。以下のカードをクリックして、各国の詳細な状況を確認してください。
国別生産量 前年度比較 (百万袋)
品種別生産内訳 (2024/25年度)
主要生産国の詳細
🇧🇷 ブラジル: 力強い回復
+豊作の「表年」にあたり、総生産量は360万袋増の6,990万袋と予測されています。特にアラビカ種が4,820万袋に回復することが、世界全体の供給増に大きく貢献します。
🇮🇩 インドネシア: 不作からの復活
+前年度の不作から大きく回復し、生産量は280万袋近く増加して1,090万袋に達する見込みです。この回復が、ロブスタ種を中心に世界供給を下支えします。
🇻🇳 ベトナム: 不確実性要因
+生産量は2,900万袋と予測されていますが、干ばつの影響や、農家がより収益性の高いドリアンなどの作物へ転換している動きがあり、依然として供給の大きな不確実性要因となっています。
需要:
誰がコーヒーを飲んでいるのか?
世界のコーヒー消費は、経済の緩やかな回復を背景に堅調に増加しています。伝統的な巨大市場であるEUと米国が消費を牽引し、日本も安定した需要を示しています。
消費量トップ3市場 前年度比較 (百万袋)
主要消費市場の動向
-
🇪🇺
欧州連合
世界最大の消費地。4,280万袋を消費し、世界のコーヒー文化をリード。
-
🇺🇸
アメリカ合衆国
第2位の市場。2,780万袋を消費。スペシャルティからRTDまで多様な需要が存在。
-
🇯🇵
日本
世界有数の消費国。740万袋を消費し、安定した高品質コーヒーへの需要を持つ。
需給バランスの変化
生産量の回復は、世界の需給バランスにどのような変化をもたらすのでしょうか。下のグラフは、生産量が消費量を上回り、これまでの供給不足からわずかな供給過剰へと転換する可能性を示しています。
世界の生産 vs 消費 (百万袋)
結論:需給緩和へのシフト
USDAの見通しでは、世界のコーヒー市場は供給不足から脱却し、価格安定化への一歩を踏み出す可能性があります。しかし、これは他の民間機関の悲観的な予測とは異なり、今後の天候次第で変動するリスクもはらんでいます。市場の先行きを判断するには、引き続き実際の収穫状況を注視する必要があります。