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スペシャルティコーヒーとは?厳格な評価基準と楽しみ方

スペシャルティコーヒーとは、品質の高さや風味の独自性を持つ特別なコーヒーを指します。国際的な評価基準に基づいて高いスコアを獲得したコーヒー豆のみがスペシャルティコーヒーと認められます。この記事では、スペシャルティコーヒーの特徴、評価基準、そしてその楽しみ方について詳しく解説します。

スペシャルティコーヒーの定義

日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)では、スペシャルティコーヒーを下記のように定義しています。

消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup)(出典:日本スペシャルティコーヒー協会)

スペシャルティコーヒーの特徴

高品質の豆

スペシャルティコーヒーは、収穫から焙煎、抽出までの各段階で厳しい品質管理が行われています。特に、欠点豆(欠陥を持つ豆)の含有量が極めて少なく、全体の品質が非常に高いことが特徴です。

ちなみに、世界で流通しているコーヒー豆のうち、スペシャルティコーヒーの割合は全体の5%だと言われています。このことからも非常に貴重な、厳選されたコーヒーであることがわかりますね。

スペシャルティコーヒーの世界流通割合

風味の豊かさ

フルーティーな酸味、甘み、複雑なアロマなど、コーヒーの風味が豊かで、飲む人を魅了します。産地や品種によって異なる風味を楽しむことができます。

トレーサビリティ

スペシャルティコーヒーは、どの農園で、どのように栽培され、どのようなプロセスを経てきたかを詳しく知ることができます。これにより、生産者への信頼感や、コーヒーの品質への理解が深まります。

    スペシャルティコーヒーの評価基準

    スペシャルティコーヒーは、SCAA(Specialty Coffee Association of America)などの国際的な基準に基づいて評価されます。評価基準には以下のような要素が含まれます。

    1. カップ・クオリティのきれいさ:「汚れ」または「風味の欠点・瑕疵」が全く無い事。コーヒー豆そのものの品質の高さ。
    2. 甘さ:コーヒーのチェリーが収穫された時点の熟度、均一さに関わる甘さの感覚(単純な糖度ではなく、その他の風味との兼ね合いでどの程度感じられるか)。
    3. 酸味の特徴評価:爽やかな、あるいは繊細な酸味がどれ程であるかが評価対象。酸度の強さではなく、酸の質についての評価。
    4. 口に含んだ質感:コーヒーにより伝えられる触覚。口に含んだ際の 「濃さ」「粘り」「密度」「舌触り」。
    5. 風味特性・風味のプロフィール:スペシャルティコーヒーと一般のコーヒーを区別する最も重要な項目。栽培地の地域特性「Terroir」 が純正に表現できているかを明確に評価する。
    6. 後味の印象度:コーヒーを飲み込んだ後の「口に残るコーヒー感」が、甘さの感覚で消えて行くのか、あるいは、刺激的な嫌な感覚がにじみ出てくるのかを判定する。
    7. バランス:コーヒーは風味の調和が取れているか。何か突出するものや、欠けているものは無いか。

    評価は100点満点で行われ、80点以上のスコアを獲得したコーヒー豆のみがスペシャルティコーヒーと認められます。

    スペシャルティコーヒーの楽しみ方

    鮮度にこだわる

    スペシャルティコーヒーは、その新鮮さが風味に大きく影響します。焙煎後、できるだけ早く消費することが望ましいです。

    適切な抽出方法

    抽出方法によって、コーヒーの風味は大きく変わります。ドリップ、フレンチプレス、エスプレッソなど、最終的にはご自身の好みで楽しむことがベストですが、まずは一度ハンドドリップを試してみてください。

    温度管理

    抽出時の温度も重要です。一般的には92℃前後で抽出することが推奨されています。

    焙煎度

    スペシャルティコーヒーは、その豊かなアロマと独自の風味を最大限に楽しむために、浅煎りで飲むことが多いです。浅煎りの焙煎度は、コーヒー豆の持つ本来の特徴を引き立てるのに適しています。以下に、スペシャルティコーヒーを浅煎りで楽しむ理由とその特徴について詳しく説明します。

    1. アロマの引き立て: 浅煎りは、豆の焙煎時間が短いため、コーヒーの持つフルーティーで華やかなアロマが強く残ります。スペシャルティコーヒーは、栽培地や品種ごとに異なる複雑な香りを持っているため、そのアロマを楽しむためには浅煎りが最適です。
    2. 風味の多様性: 浅煎りは、豆の持つ自然な酸味やフレーバーを引き出します。スペシャルティコーヒーは、フルーツ、花、ハーブ、スパイスなど、さまざまな風味を感じられることが多く、これらの風味が浅煎りによって際立ちます。
    3. 豆の個性を活かす: スペシャルティコーヒーは、その土地や栽培方法、品種ごとの個性が際立つように管理されています。浅煎りでは、これらの個性が失われることなく、そのまま楽しむことができます。深煎りにすると、焙煎の風味が強くなり、豆の持つ本来の特徴が隠れてしまうことがあります。
    4. 高品質の証: スペシャルティコーヒーは、欠点豆が少なく、品質が高いことが求められます。浅煎りは、豆の品質を隠すことなく、透明にそのまま味わえるため、高品質な豆の良さをダイレクトに感じることができます。

      浅煎りのコーヒーを飲んだ際に、酸味が強かったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?これは中まで火が通らずに、中心部がしっかりと焙煎できてない可能性が高いです。

      スペシャルティコーヒーに最適な熱風式焙煎機

      当店では浅煎りでも中までしっかり熱を加えることのできる、国産の熱風式焙煎機を使用しています。スペシャルティコーヒーと非常に相性の良い焙煎機です。

      まとめ

      スペシャルティコーヒーは、品質の高さと風味の豊かさが特徴の特別なコーヒーです。その背景には、生産者の努力や厳しい評価基準があり、飲む人に特別な体験を提供してくれます。当店では、厳選されたスペシャルティコーヒーを取り揃えていますので、ぜひ一度お試しください。特別な一杯を楽しむことで、コーヒーの新たな魅力を体験してみませんか。