コーヒーショップの商品説明に記載がある「ウォッシュド・ナチュラルの違いは何だろう?」と疑問に思った経験がある方も多いのではないでしょうか。
コーヒーの風味や味わいは、豆の産地だけでなく、実は、その精製方法によっても大きく変わります。
特に、有名なナチュラル、ウォッシュドという主要な精製方法は、それぞれ異なる風味を持つコーヒーを生み出します。この記事では、これらの精製方法の違いについて詳しく解説し、より自分好みのコーヒーを見つけるためのヒントを提供します。
そもそもコーヒーはどうやってできるの?
「コーヒー豆」は、実はコーヒーチェリーの種子です。
コーヒーチェリーとは、コーヒーの木に実る果実のことで、さくらんぼのような形をしているのが特徴です。外皮と果肉の中には2つの種子があり、これが私たちが「コーヒー豆」と呼んでいるものです。収穫後、果肉を取り除き、種子を乾燥させることで、コーヒー豆(生豆)が出来上がり、そこから焙煎することで普段私たちが目にするコーヒー豆になります。
コーヒーの精製方法とは?
コーヒーの精製方法とは、コーヒーチェリーからコーヒー豆を取り出し、乾燥させる過程を指します。この過程は、コーヒーの最終的な風味に大きな影響を与えます。主な精製方法には、ナチュラルプロセス(乾燥式)、ウォッシュドプロセス(水洗式)があります。
ナチュラルプロセス(乾燥式)
ナチュラルプロセスの工程
ナチュラルプロセスでは、コーヒーチェリーを果肉がついたまま乾燥させます。チェリーは天日干しにされ、数週間かけて自然に乾燥します。この過程で、果肉の糖分が豆に浸透し、独特の風味を形成します。
- 収穫されたコーヒーチェリーを選別します。
- チェリーを広げて天日干しします。
- 定期的にチェリーをかき混ぜ、均一に乾燥させます。
- 完全に乾燥した後、果肉を取り除き、豆を取り出します。
ナチュラルプロセスの特徴と風味
ナチュラルプロセスで精製されたコーヒーは、果実味が強く、甘さやボディが豊かになる傾向があります。ベリーやトロピカルフルーツのような風味が感じられることが多く、複雑で豊かな味わいが楽しめます。
ウォッシュドプロセス(水洗式)
ウォッシュドプロセスの工程
ウォッシュドプロセスでは、コーヒーチェリーの果肉を取り除いた後、豆を発酵タンクに入れて残った果肉を分解し、水で洗い流します。これにより、クリーンで明るい風味が引き出されます。
- 収穫されたコーヒーチェリーを選別します。
- 果肉除去機で果肉を取り除きます。
- 発酵タンクに豆を入れ、残った果肉を分解させます(約24〜48時間)。
- 水で豆を洗浄し、パーチメント(外皮)を取り除きます。
- 豆を天日干しまたは機械乾燥させます。
ウォッシュドプロセスの特徴と風味
ウォッシュドプロセスで精製されたコーヒーは、クリーンで明るい風味が特徴です。酸味が際立ち、フローラルやシトラスのような繊細な風味が感じられることが多いです。透明感のある味わいで、豆本来のキャラクターを楽しむことができます。
どうやって選ぶべきか?
コーヒーショップでコーヒー豆を購入する際には、精製方法についてもチェックして、自分の好みにあった精製方法を選びましょう。
果実味豊かで甘さが強いコーヒーが好きな方にはナチュラルプロセスがおすすめ。クリーンで明るい風味を楽しみたい方にはウォッシュドプロセスが向いています。そして、バランスの取れた甘さとクリーンな風味を求める方にはハニープロセスがおすすめです。どれも一度試してみて、自分の好みを見つけてください。